水石入門 水石の鑑賞

水石の鑑賞には現在発行されている“樹石”、“愛石の友”、“近代盆栽”等の雑誌によって勉強されることが出来ます。その他にも、
石の趣味 (伊藤俊治著)、
山水美の世界 (甘露寺雄次郎著)
水石を始める人のために (高橋貞助、村田圭司共著)
趣味の水石百科。水石の見方味わい方。水石 (山水影石のすべて)。
趣味の水石入門 (村田圭司著)
水石美への招待 (松浦有成著)

その他、いろいろの著書から学ぶことが出来ますが、昭和18年に発行された「樹石(能勢萬著、大雅堂発行)」の中の記述が物語っていると思いますが、総じて言えることは何事も基本をよく勉強して大自然に対してこの道を進むならば間違いなく水石趣味の奥深さを味わうことが出来、少しのことにこだわることなく広い心で水石を楽しむことが出来ると私は思っています。


名石の条件

水石を愛でる条件の第一に中国の米元章の「石の4則」([透][皺][秀][痩])がありますが、我が国では以下に示す水石の5原則(5大要素)と言われるようになってきています。


  • [形]自然界の総体的または一部の優れた景観を連想させるものや人物、動物、花、鳥などの愛らしい風情を感じさせるもの。
  • [質]適当な硬さ、緻密、重量感があり水をかけた時しっとり落ち着き、欠けたり傷のつきにくいもの。
  • [色]黒を基調としてきましたが、人の心に素晴らしさを感じさせるものであれば自ずと決まってくると思います。
  • [肌]皮目と肌目があり川ずれの妙味が感じられるもの(蛇ぐれや巣立ちをそなえ産地によって異なるが自然が作りたもうた美しさを感じさせるもの等は最高)。
  • [持込]時代とも言いますが手沢(長い間持っていたために石に艶のつく状態)がついたり、水掛けと自然の寒暖によって石肌に落ち着きが出てきて古さを感じさせるようになる。

以上5原則を踏まえれば条件は満たされると思いますが、大切なこととして「品位のあるもの」を付け加えておきたいと思います。


鞍馬遠山石共箱付
鞍馬石
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